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不動産経営の収益性や安定性の測り方(キャッシュフロー・利回り・積算価格)

マンション経営では収支バランスの余裕が必要です。家賃収入からローン返済や経費を差し引いても十分に収入が残るような計画が求められます。今回は不動産投資の収益性や安定性を計測する指標であるキャッシュフロー、利回り、積算価格について解説します。

キャッシュフロー

賃貸住宅を建てて経営していくことは長期的な事業になります。その間、経済状況や社会状況も変化するため、スタート時の事業計画の収支バランスには余裕が必要です。家賃収入からローン返済や管理委託費などの経費を差し引いても十分に収入が残るような計画が求められます。そこで今回は、不動産投資の収益性や安定性を測る際に使われる代表的な指標について解説します。

不動産投資を行う場合、物件から「家賃収入」が得られますが、多くの場合、金融機関から建築費の借上を受けて投資を行うことになるため、金融機関への「ローン返済」も同時に行っていく必要があります。さらに、賃貸経営に必要な様々な業務をアウトソースする場合の管理委託費や修繕費などの「経費」も負担する必要があります。以上を踏まえた上で、不動産投資におけるキャッシュフローは、

不動産キャッシュフロー = 家賃収入 − ローン返済 − 経費

と定義されます。つまり、家賃収入からローン返済や諸経費を引いた上で、なおも手元に残るお金が不動産投資におけるキャッシュフローです。より正確には、そこからさらに税金も差し引く必要があります。いずれにせよ、不動産投資を安定的に行うためにはキャッシュフローが出るような投資計画になっていることが重要です。十分なキャッシュフローを確保していけば修繕や空室損失などの突発的な支出にも対応できますし、ローンの残債を減らしながら賃貸経営を安定的に行うことができるからです。十分なキャッシュフローが出る事業計画になっていれば、金融機関から融資を受けやすくなるというメリットもあります。

キャッシュフローを構成する経費の中には、固定資産税や修繕費、修繕積立金などが含まれます。満室経営を実現できない場合、空室がもたらす機会損失もまた経費として計上する必要があるため稼働率が重要になります。入居者の募集や賃貸管理、リフォーム、清掃などの業務をアウトソースする場合には管理委託費も経費として計上する必要があります。これらの業務を自身で行うことで経費を削減することもできますが、逆に、これらの業務を完全に外注できるからこそ副業として、または定年後にも取り組める点が不動産投資の大きなメリットでもあります。

利回り

利回りとは、投資から得られる見込み収益を投資金額で割ったもの、つまり投資支出に対する利益の割合であり、投資の収益性や効率性を表す指標です。

利回りが投資の収益性を表す指標であるとはどのような意味においてでしょうか。具体例として、2 つの異なる投資案件 A,B に 100 万円ずつ投資する状況を想定します。案件 A からは年間で 5 万円の収益が得られ(利回りは 5 %)、案件 B からは年間で 10 万円の収益が得られる(利回りは 10 %)のであれば、明らかに案件 B のほうが案件 A よりも収益性において優れています。利回りの高さは収益性の高さを表しています

利回りが投資の効率性を表す指標であるとはどのような意味においてでしょうか。先と同じ投資案件 A,B について考えます。投資の回収期間を考えると、案件 A では 20 年かかるのに対し、案件 B では 10 年で回収が完了します。したがって、案件 B のほうが案件 A よりも効率性において優れています。利回りの高さは効率性の高さも表しています

不動産投資の利回りには表面利回り実質利回りの2 種類があります。表面利回りとは、年間の家賃収入を物件の建築費用(購入価格)で割ったものであり、正確には、

$$\text{表面利回り}=\frac{\text{年間家賃収入}}{\text{物件の建築費用}}\times100$$
と定義されます。ただ、表面利回りの分子は家賃収入だけであり、費用を考慮していません。実際に儲かるかどうかを判断する際には収入ではなく利益で見る必要があります。利益は家賃収入から経費を差し引いたものであるため、そのことを考慮した実質利回りが、
$$\text{実質利回り}=\frac{\text{年間家賃収入}-\text{年間経費}}{\text{物件の建築費用}}\times100$$
と定義されます。経費としては、管理会社に管理業務を委託している場合の管理費、共有部分の水道光熱費、修繕費、修繕積立費、各種の税金が含まれます。

具体例として、以下の条件を満たす不動産投資の利回りを算出します。

部屋数
10室
家賃
8万円/室
年間経費
200万円
建築費用
1億円

まず、表面利回りは、

\begin{align*} \text{表面利回り} & =\frac{\text{年間家賃収入}}{\text{物件の建築費用}}\times100\\ & =\frac{8\text{万}\times10\times12}{1\text{億}}\times100\\ & \fallingdotseq9.6 \end{align*}

となります。一方、実質利回りは、

\begin{align*} \text{実質利回り} & =\frac{\text{年間家賃収入}-\text{年間経費}}{\text{物件の建築費用}}\times100\\ & =\frac{8\text{万}\times10\times12-150\text{万}}{1\text{億}}\times100\\ & \fallingdotseq8.1 \end{align*}
となります。実質利回りは表面利回りよりも小さくなりますが、こちらのほうがより現実的な値です。
注意しなければならないのは、利回りは年間を通じて満室の状態を想定して計算した値であるという点です。例えば、物件の建設予定エリアの賃貸需要が低い場合、稼働率が低くなるため空き室の機会損失が発生しますし(家賃収入が減少)、入居者を募集するための広告宣伝費も発生します(経費が増加)。このような場合、たとえ額面上の利回りが良かったとしても、それは机上の空論になってしまいます。空き室リスクを考慮すると、必ずしも額面通りの利回りが保証されるわけではないからです。逆に言うと、それだけ満室経営は重要であるということです。
物件の稼働率を高い水準で維持できるのであれば、利回りが高いほど大きなキャッシュフローを得ることができます。また、ローン金利が多少高くても、それを利回りでカバーできるのであればキャッシュフローを確保できるため問題はありません。その際に目安となるのが物件の利回りとローン金利の差(イールドギャップ)です。ローンの金利が多少高くても利回りが十分高ければ投資対象になり得るということです。

積算価格

投資家は不動産物件のキャッシュフローや利回りを重視する必要がありますが、金融機関から融資を受けて賃貸住宅を建設する場合、金融機関を納得させられる事業計画も必要になります。金融機関は自社内で不動産の担保評価を行った上で融資判断を行います。その際、金融機関が特に重視するのが不動産の積算価格であり、これは、
積算価格 = 土地評価額 + 建物評価額

と定義されます。したがって、投資家は金融機関に融資を申し込む前に、自身が建設を計画する物件の積算価格を把握しておく必要があります。では、積算価格を構成する土地評価額と建物評価額はそれぞれのどのように決まるのでしょうか。

市街地にある宅地の場合、その土地評価額は、

土地評価額 = 路線価 × 地積
と定義されます。路線価とは市街地の道路に面した土地1m²当たりの評価額のことであり、これは国税庁の「財産評価基準書 路線価格図・評価倍率表」において調べることができます。一方、地積とは土地の面積のことです。多くの場合、登記簿に記載されている数値を利用しますが、それが実際の地積と明らかに異なる場合には、土地を測量しなおす必要があります。

一方の建物評価額は、

$$\text{建物評価額}=\frac{\text{再調達価格}\times\text{延床面積}\times\text{(法定耐用年数}-\text{築年数)}}{\text{法定耐用年数}}$$
と定義されます。再調達価格とはその物件と同じ建物を新たに建築する場合に必要な費用であり、建物の構造によって単価が異なります(RC造は20万円/m²・S造は18万円/m²・木造は13万円/m²)。延床面積とは建物の床面積の合計です。例えば、2階建ての建物で、1階の床面積が200m²、2階の床面積が100m²であれば、その建物の延床面積はそれらの合計である300m²です。法定耐用年数とは法律で定められた建物の減価償却の年数であり、建物の構造によって異なります(RC造は47年・S造は34年・木造は22年)。
具体例として、以下の条件を満たす物件の積算価格を算出します。
構造
RCマンション
路線価
30 万円/m²
地積
500 m²
延床面積
700 m²
築年
新築

まず、土地評価額は、

$$\begin{align*} \text{土地評価額} & =\text{路線価}\times\text{地積}\\ & =\text{30万円}\times\text{500}\\ & =\text{1億8000万円}\end{align*}$$
となります。続いて、建物評価額は、RC造の再調達価格が20万円/m²であり、法定耐用年数が47年であることを踏まえると、
\begin{align*} \text{建物評価額} & =\frac{\text{再調達価格}\times\text{延床面積}\times\text{(法定耐用年数}-\text{築年数)}}{\text{法定耐用年数}}\\ & =\frac{\text{20万円}\times\text{700}\times\text{(47}-\text{0)}}{\text{47}}\\ & =\text{1億4000万円}\end{align*}
となります。したがって、問題としている物件の積算価格は、
\begin{align*} \text{積算価格} & =\text{1億8000万円}+\text{1億4000万円}\\ & =\text{3億2000万円}\end{align*}

となります。

埼玉丸山工務所にできること

今回はマンション経営の収益性や安定性に関する指標について解説しましたが、より詳しい情報やご相談をご希望の方は、弊社までお気軽にお問合せください。お急ぎの場合はお電話 048-729-8655 (受付時間9:00-18:00)まで、メールの場合には以下のメールフォームをご利用ください。

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